ヴァニタス
「――……ちゃん。

――…南ちゃん。

――果南ちゃん」

しゃがれた声と肩を揺すられ、私は目を開けた。

開けたとたん、太陽のまぶしい光が寝起きの目を刺激した。

自分でも知らない間に眠ってしまったみたいだ。

「――あっ、武藤さん…」

私の肩を揺すっていた当人に視線を向けた。

「何してるの?

こんなところで眠ってたら風邪ひいちゃうでしょ?」

武藤さんはやれやれと言うように息を吐いた。

「何でソファーで眠らなかったの?」

呆れたと言うように聞いてきた武藤さんに、
「眠れなかったからです」

私は答えた。
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