ヴァニタス
頬の衝撃に耐えることができずに地面に崩れ落ちた私に、蹴りが襲った。

躰中に与えられる衝撃と痛みに、私は身を守るために両手で頭を抱えて躰を丸めた。

それでも衝撃や痛みは私の躰を襲ってくる。

――いつもそうだ…。

悪魔は、私の話を聞いてくれない。

聞いてくれないからこうして暴力を振るって、私の躰に傷をつける。

逃げても逃げても追いかけてきて、居場所を突き止めて、私の前に現れる。

現れて、暴力。

生きているのが嫌だった。

嫌だから、死のうと思った。

死ねば、悪魔は私を追いかけてこない。

だから、死にたかった。
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