ROMANTICA~ロマンチカ~
「あっ、あっ、あっ、あああああっっ!!」




 
獣(けもの)の咆哮(ほうこう)を思わせる女の声。



 
千住雅紀の声を、


都季の顔を、


頭の中から追い出すために、


俊夫は自分の腰を旗丸理恵子の尻に打ちつけた。



 
だが、理恵子を激しく抱くほどに……


そうしている自分が、父親の姿に重なった。



卑屈(ひくつ)で傲慢(ごうまん)。



決して尊敬できるような男ではない。
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