ROMANTICA~ロマンチカ~
「担当者は、今日は非番ですってね。

僕が思うに、こりゃ事故じゃなくって殺人ですよ」



 
「なッ! けッ、警察を侮辱(ぶじょく)するつもりかッ?! 


一通りの捜査はしたんだぞッ!」



 
鼻から煙を出しそうな勢いで、高嶺が思わず怒鳴る。 


 
探偵は、困ったような顔をして、高嶺の恥ずかしい写真をしまったポケットに手をやった。


 
「き、脅迫は、犯罪だぞ!」 

 
「脅迫? 僕が? 署長さんと僕の仲じゃありませんか」



 
探偵は、人の良さそうな笑みを浮かべた。この笑顔に誰しもがだまされる。



 
「ウウウウ……」



 
高嶺には、うなることしかできなかった。
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