ROMANTICA~ロマンチカ~

7.都季と涼輔と池~涼輔

「イテ!」
 


千住都季に蹴られた足をさすりながら、氷室涼輔は一人ごちた。
 


「結構ですってことは、期待はしていた、という意味だな」
 


あの様子なら、彼女が素直に好きだと言う日も、そう遠くはないだろう。


きっかけを与えてやっても、涼輔から都季に好きだと言うつもりはない。
 

プライドの問題に関わるからだ。
 


可笑しげな笑みを浮かべていた涼輔の顔色が変わったのは、


 
「わあ!」



 

ザブン!



 

派手な悲鳴と供に水音が聞こえてきた時だった。
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