ROMANTICA~ロマンチカ~
「いい感じ。

そう、やればできるじゃないか。

あ、そこ痛い。もっと優しく……そう、それでいい……」
 
間もなく、涼輔さんは寝息を立て始めた。 
 
日頃の疲れが溜まっているのか、ギネス・ブック級の寝つきの良さだ。
 

涼輔さんの隣で、あたしも一緒に寝た。
 

そもそもあたしは、涼輔さんの元を離れることを決意したわけで、それなのになぜか、涼輔さんと同じベッドで寝ていて……。
 

――下女は、ご主人様と同じベッドで寝るのでしょうか? 

いくらトリプル・ベッドとはいえ……。 
 

いや、もうやめよう。不毛な考えは時間の無駄だ。
 

そう、人間、明るい方が得なのだから。
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