ROMANTICA~ロマンチカ~
「どうだ? 

まだ気になるのだったら、DNA鑑定でも頼もうかと思っていたが、その必要はなさそうだな。

もっとも、君にどんな血が流れていようが、私の気持ちは変わらないが。

探偵屋から、さらに報告があったのだが、実際、富沢靖男は孤児院から引き取られたらしい。

少なくとも、君と富沢親子は、血統的には他人だ。

それにだ、言わせてもらうがな、これを逃したら、君なんか一生嫁かず後家だぞ」
 


涼輔さんが、あたしの目をじっと見つめた。


 
「都季は人騒がせだ。

すぐ泣くし、すぐ怒るし、感覚は奇妙にずれていて、受け答えはトンチンカン。

浮世離れしていて妙に固い所があると思えば、平気でチキン・レバーを塗りつけたパンティを売ろうとしたりもする。

挙句の果てには、ピロー・トークもしないうちに大爆睡。

だが、私はそんな君が好きだ」
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