ROMANTICA~ロマンチカ~
落ちついて話すようにしたのは、子どもじみていると思われたくなかっただけじゃなかった。



あたしの本能が、柳屋光に関して告げていたからだ。



 こいつは使える! こいつと今喧嘩したら損だ!



と。
 


あたしも女だからわかるんだけど、女の第六感っていうのは、事が自分の利害が絡むことになると、動物並みに鋭くなるものだ。



そういう時、第六感は論理的思考など三段跳びで飛び越して、結論に至る。



ヤナギヤさんは、安全そうだった。

脅しには強そうだが、泣き落としには弱そうだ。

少なくとも、ナイフで膣をえぐった後で首を絞めながらレイプされ、最後には切り刻まれて喰われるようなことにはならないだろう。

あたしの勘はそう告げていた。
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