キケンなアイツとの生活
「……そんなことないです。もう慣れました」


なんて、ウソ。


ホントは、一年経った今でも大変なことばかり。


でも〝大変〟なんて、言いたくなかった。


「愛梨は、家のことよくやってくれてるよな?パパは安心して、仕事ができるよ」
「……パパ」


パパはいつもこうやって、思ったことを口に出してくれる。


だから、わたしも頑張れるんだと思う。


「ホント、えらいわぁ。ウチの冬弥なんて全然だもの…」
「オトコなんて、そんなもんだろ?」
「はいはい」


千夏さんは眉を下げ、呆れ顔になる。


「冬弥くんは、こうやって立派に働いてるじゃないか」
「……そうだけど」


……なんか三人で話してるのを見ると、わたしは〝いらないんじゃないか〟って思ってくる。
< 13 / 167 >

この作品をシェア

pagetop