【完】恋のキューピットは山田君!
校門には、先輩が既に待っていて。
私は少し駆け足で、先輩の元へと近付い
た。
「お、遅れちゃってごめんなさい!じゃ
、い、行きましょう……」
「別にいいけど……なんでそんな緊張し
てるの?」
「べべべ別に緊張なんて……」
「だって、右手と右足、同時に出てるよ
」
そう先輩に指摘されて、慌てて気付く。
お、落ち着け私!
先輩相手に何を戸惑うことがあるんだ!
「あ、あの、公園に寄りませんか?てい
うか寄りましょう」
「今日は随分と強引だね?」
珍しいなあ、なんて笑う先輩と、公園に
入る。幸い、私たち以外に、人は居なか
った。
「公園なんて久しぶりだなあ。すっげー
懐かしい!」