My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ


それに抗う事なく、そっと目を閉じる

途端に、銀色だった世界が真っ暗な世界に包まれる




「閉じたか?」

「あぁ。閉じたよ」

「本当か?」

「閉じているよ」

「開けてはならぬぞ」




何度も確認してくる彼女

まるで子供の様なその口ぶりに、思わず笑みが零れた



暗闇の世界で、ただ次の彼女の声を待つ

そして




「開けていいぞ」




静かに彼女の声が鼓膜に響いて

そのまま、そっと目を開ける



―――その瞬間、目を疑った

あまりにも、美しくて




< 252 / 304 >

この作品をシェア

pagetop