詩集

さよなら淡い夢

ある
真夜中

あの白いワンピースにキスをした

お疲れって

もう終わったことを教えるキスを



彼に会うために買った

彼の為だけのワンピース


そして彼に会った
それだけ

あっけなく
物語は終わったみたい


勝負を駆けた夜にも

魔法はかからなかったみたい

奇跡はおこらなかったみたい

シンデレラは
シンデレラのまま

お姫様になりそこなった夜



塗りたくって
塗りたくってくだけ
忘れたい人が増えて行くだけ



誰かに好かれた
壊れた

また誰かと恋した
壊れた

過去を消すための
新しい恋に
ハッピーエンドはこないまま


忘れたい人が増えて行くだけ



塗りたくって
塗りたくって

忘れたい人が増えて行くだけ


でも彼は 私が見つけた唯一の王子様

白いワンピース

買った日はまだ夢見てたんだ


彼ときっと幸せになるって

振り向きもされない現実なんて

考えないままに