キスから始まるセカンドラブ
西田さんの手が私から離される。私が手に入れられなかった証拠がここにある。もう、怯えなくていいんだ。私、もうこの人に遠慮しなくてもいいんだ。



「西田さん、もう二度とここには来ないでください。あなたが怖い。現れたらこれを持って警察に行きます」



真っ直ぐ目を逸らさずに西田さんに告げた。西田さんはわかってくれたみたいでがっくりと肩を落として店を後にした。


怖かった。殴られるかと思った。急に恐怖心が出てきてそのままヘナヘナとそこに座り込んでしまった。



「奈々、大丈夫か?」



私に駆け寄ってきてくれる洸汰さん。震える肩をギュッと抱きしめてくれる。でも、どうして洸汰さんがここにいるの?
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