キスから始まるセカンドラブ
早苗さんは洸汰さんを見て改めてよろしくお願いしますと言った。違うのに。洸汰さんは私の彼氏じゃないのに。それなのに、どうしてそんなに優しく笑ってわかりましたなんて言うの?



胸が痛い。苦しい。洸汰さんは私の彼氏じゃないのに、そうなってほしいと思う自分が何よりも最低なのに。



早苗さんの好意に甘えてエプロンを外し、作りかけだった花束を任せて身支度を整えて上がらせてもらうことにした。洸汰さんは有無を言わせず、私の手を取り自分の手と繋いだ。



「じゃあね、奈々ちゃん。今日はゆっくり休んでね」
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