キスから始まるセカンドラブ
「私は智人さんの彼女です!これ以上私に触れないでください」


唇を噛み締め、強い睨みを利かせて言葉を吐く。さすがにここまで言えばいくらこの人でも分かってくれるはず。仮にこの人が弟なら兄の彼女に手を出すなんてありえないって思うに決まってる。


「そんな唇噛んだら、血出るぞ」


さっきの意地悪そうな笑みから心配そうな瞳に変わる。分かってくれたのだろうか。とりあえず壁ドンはされているもののそれ以上距離を詰めようとはしてこない。ただ私は牽制の意を込めて瞳を逸らすことはしない。

「そんなに兄貴が好きなのか」

「好きです。初めての彼氏だし、これからもずっと私は智人さんだけでいいと思ってます」

「でも、さっき俺とキスしたし待ってたよな?」

「待ってません。それより早く離れてください。智人さんじゃなきゃ壁ドンもドキドキしない」


「本当に?」

本当よ。ドキドキなんてしていない。
心臓が音を立てているのは何者かもわからない見知らぬ男性に追い詰められている恐怖感。そう、それだけ。
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