キスから始まるセカンドラブ
どれくらいの時間、ずっとそうしていたのかな?玄関で私より高い段の上からギュッと洸汰さんに抱きしめられたまま。気がつくと私も彼の背中に腕を回していた。



こんなこと今までしたことなかったけれどそうしたかったんだ。洸汰さんが震えているような気がして。



洸汰さんのことを思い出していると目の前に影が出来た。智人さんが来たんだとゆっくりと彼の顔を見て驚いた。





「お待たせ。そんな驚いた顔をしなくても大丈夫だよ。僕は正真正銘の志村智人だ」



そう、彼がそう言うのも無理はない。私が知ってる彼がそこにいない。私の目の前に立っているのはさっき私が思い出して胸を熱くしていた洸汰さん。
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