Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
「美久が赦してくれるなら、もう我慢なんてしないから。」
そう言った悠里は私の気持ちを確かめるように今度はゆっくりと上体を降ろしてきた。
私の心はもう決まってる。
預けられる重みに合わせてそっと目を閉じた
――――はっ!!!
「待ったぁ!」
「イタッ!」
飛び起きた私の頭で顎を打ちつけた悠里が顎を押さえて呻く。
「…え?…な…なんで?……やっぱり僕とスルの嫌…」
「そ、そうじゃないけどっ…そうだよ!」
悠里を押しのけソファーに正座して愕然としている悠里を毅然と睨む。
キスはし、したいけれどもっ、
でもやっぱりこれだけは先にはっきりさせなきゃ。
「あの女の人は悠里の何なの!まさかとは思うけど私と出来ないからって、う、浮気……」
悲しさのあまり毅然とした態度もすぐさましぼんで語尾も揺らぐ。
そりゃ奥さん(…や、結婚してなかったなら恋人かもだけど)として悠里を満足させられなかったかもだけど、だからって浮気なんて!
私に倣ってソファーに座りなおした悠里が、あ゛ー…、と面倒くさそうに髪をくしゃっと掻きあげる。
「…や、やっぱり心当たりあるんだ。」
「あると言えばあるけども…」
「ぅわーん。悠里最低っ。盾前とはいえ一応結婚した分際で浮気だなんてぇっ。」
「ちょっと待って、誤解誤解。その人物に心当たりがあるだけで………それって黒髪をワンレンにした和風な人だよね?」
「そう!!良妻賢母な和風ナデシコな美人さん!!」
いきり立つ私を余所に悠里は少し何かを考え携帯を取り出した。
「今僕が説明しても都合のいい言い訳にしか聞こえそうにないから第三者に説明してもらおう。」
「え゛っ。ちょ、誰に掛けるのか知らないけど、こんな時間に非常識…っ」