Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
「あのねぇ。それは僕の所為じゃないでしょうよ。仕事に身を売れとか君の上司として資質を疑うよ?」
『程度問題だな。身を売れとまでは言わないが、嫌な客の太鼓持ちなんて事は営業なら当たり前にやる事だろう。オマエならもうちょっと上手くやれるだろうに、何をバカ正直に激麟を逆撫でしてるんだって言ってるんだ。』
「生憎だけど僕、プライベートと仕事はキッチリ分けるタイプなんだよ。最初に混同させた久寿軒さんが悪い。それを素知らぬ顔で煽った須藤も同罪だよ。」
『仕事は仕事遊びは遊び、って。新人類世代のガキか、オマエは。』
仕事に対する二人の相容れないスタンスはちょっと感慨深い。
うん。
どっちの言い分も何となく分かるだけあって難しい問題
………って、今はそんなことより。
それに気付いたらしい須藤君も言い合いを止めて『ともかくそれだけだ。』と締めくくった。
ともかく話を聞く限り、彼女の一方的な想いだけで、二人の間には仕事以外に何のお付き合いもないみたい。
よかった……。
『それはそうと柏木姉。話す機会があったら一つ言おうと思ってた事があるが、イイか。』
「あ、はいっ?」
改めて話しかけられてソファーの上で居住まいを正し電話からの言葉を待つ。
『別に減るもんじゃなし、物は試しにソイツにヤらせてやれよ。欲求不満のMAXで仕事は疎かだし、泣き事に付き合わされる俺の身にも――――』
ぷつっと通話が途絶える。
思いがけない打ち明け話に放心している私に、電話を切った悠里がニコリと笑いかける。
「今のは何でもないから。」
「ぅ……ぅん。」
や、バッチリ聞こえちゃいましたケド。