Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
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忌まわしい事件から数日経った『ASTRO』
残念ながら美久のお休みも終了し、毎日元気に出勤している。
「オマエ一体何をした。」
不意の質問に僕は作業の手を止めて隣に立つ男を見上げる。
須藤はやっぱりコーヒーが不味いみたいに眉を顰めて、ついでに口までむっつり歪めて言った。
「白井未来が会社を辞めたぞ。」
あの日から白井さんは会社を無断欠勤し、連絡も取れず仕舞い。
一週間して会社の総務と地方から呼び寄せた彼女の両親が彼女の住むアパートへ踏み込んだらしい。
カーテンの引かれた暗い部屋。
物が乱雑に飛び散り、異臭すら漂っていたという。
その小さな部屋の隅で発見された白井さんは親の顔すら認識出来ないほどに錯乱していたらしい。
仕事はおろかまともに社会生活も送れない有様で、会社は退職し両親が引き取ったというが、その後病院へ入ったかどうか、身の振りまでは定かではない。
「オマエ、一体何をした?」
断定的にそう繰り返された言葉に僕は作業の手を止めないままに小さく笑う。
「心外だな。僕は女性に対して胸倉を掴んで壁に叩きつけるような酷い真似はしませんよ?」
しゃーしゃーと返してやれば、須藤は苦虫を噛み潰すような渋い顔を作った。
何をしたかって、詳細は語らないけどもほんのちょっと時間を貰ったくらいで“身体”には傷一つ付けてない。
その間に、僕がした事と言ったら理不尽にネットに載せられた美久の情報を全て消させたくらいだ。