Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
僕は今度こそ手を止めてにっこり満面の笑みを向ける。
「それより君の方は上手く行ったようでヨカッタじゃない。」
そう言ったら須藤は益々不機嫌そうに顔を歪めた。
久保塚君がネットで『私を探して会いに来てね♪』という文言と共に幾つかの住所が挙げられているのは見付けてくれていた。
スタンガンで気を失わされた名取さんが放置されたのは、その中の一つである市内の公園の公衆トイレだった。
半信半疑の冷やかしが暇潰しに探して回っていたみたいだけど。
意識を取り戻した名取さんは直ぐに状況を察して、個室に鍵を掛けて危機を凌いだ。
「そこへ冷やかし共をけ散らかしナイト登場―――って、小説みたいな展開。落ちないお姫様はいないよねぇ。めでたしめでたし。そして愛し合う二人はネオンがぎらつくお城でさらなる愛を確かめ合って―――……」
「っ。オマエの妄想を語るな。……聞いたのか?」
「いやいや。でも僕、その手の推測は間違えたためしがないんだよねぇ。」
ふふっと笑って、仏頂面の須藤に携帯を差し出す。
薄紫のスワロフスキーで飾られたカバーの付いた女性らしい携帯。
「名取さんの。白井さんから取り返しておいたから。」
「……オマエは本当に一体何をしたんだ。」
不審そうに聞き返す須藤に僕は笑うだけして、作業に戻る。
そこへ「オスッ!」と言って幸村さん、「戻りました~」と言って久保塚君が現れた。
彼等二人は仕事の打ち合わせで席を外していたんだけども。