君想歌
新作の団子です、なんて
呑気に言う沖田に青筋を立てる。

完全に和泉の存在以外を
沖田は空気と見なしている。


「……行くぞ山崎」

和気藹々と話しを始めた二人に
土方は大きく肩を落とした。


「姉ちゃん、夕餉の後。
時間空けといてな?」

団子を口に入れたまま和泉は
部屋を出る間際に山崎が言った
言葉に頷いた。


「和泉」

「ん?」

「刀、どうですか?」


極めて明るい雰囲気を作り
沖田は問い掛けた。

前々から気に掛していた心配で。


間に置いて話した方が良いかと
甘味を食べながら話す。


「ん……。まだ、かな」

手が止まってしまった和泉に
沖田は団子を食べようと手を
伸ばしたが引っ込めた。


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