君想歌
時間は掛かったが。

結果、和泉は落ち着いた。


ふっ……。
大したもんだぜ。


あれだけ拒まれれば、
俺も総司も手がつけられねぇ。

最後は気ぃ失わす荒い手段だ。

最初ここに来た頃なんて
酷かった。


それを抑えるたぁ……。
大した野郎だ。


和泉が助け求める奴。

口では止めろだ言っても
行動は素直だ。



「栄太郎……」


けっ。
それみやがれ。

寝言でもアイツの名前
無意識に呼んでやがる。


アイツの……―
栄太郎っていうのか。


覚えといてやるか。



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