【完】私のヒーローは学校一のイケメン君【番外編追加!】
「あの時、無理矢理キスしようとして、ごめん」
頭を深々と下げ、謝罪された。
「今更、なに……?私を助けてくれるって、思ってたのに。
あんなのって、ないよ……」
あの時のことを思い出して涙が出そうになる。
歯を食いしばって、涙が出るのを堪える。
「ごめん。俺、本気で雪乃ちゃんが好きだったんだ。助けてやりたいって思って。
そしたらあんなことしちまって」
「ホントにごめん」また頭を下げた。
どうして。今更。今更だよ。そんなの、許したくないのに。
「私、樹くんのこと好きになりかけてたの。お義父さんのことちゃんときいてくれて、助けようとしてくれて」
私の話を黙って聞いてくれる。
「でも、あんなことされた直後に樹くんにもされそうになって。
男の人は皆そうなんだって思って。
そしたらね、それから男の人が怖くて、話すのも困難だったの。
体が震えて、近づくこともできなくて」
「ごめん」
それしか言わない。
「ホントは、樹くんが私のこと好きだって前からわかってたの。
学校でも他の人と私の態度違うし、友達と樹くんが話してるの、聞いちゃったの。『俺、雪乃ちゃんが好き』って言ってるの。
それで意識し始めて、助けてくれた日、私も好きになったのかも。でもね、私の気持ち踏みにじるようにあんなことされて。男の人は皆そうなんだって思った」