生まれたての放課後。





そのあとすぐに学年が上がった。



クラス替えがないことにすごくすごく感謝して、宏くんとも「またよろしく!」って言い合った。



距離は近づきもせず遠のきもせず。


クラスメート、友達のまま。




だけどうっかりあの日、宏くんのことを知りたいって思ってしまってから、わたしの想いだけがほんの少しずつ積もってきてる。


本当にほんの、少しずつ、だけど。

時に比例して、少しずつ。





「寒ぃー」

「宏くん、寒いの苦手そうだよね」

「うわー、なんで分かったの茶倉」

「分かりやすすぎだよ」




また冬が繰り返されて、そんな会話をした日。


またベアに報告だ!って鼻歌まじりの帰り道のことだった。




…………うそでしょ。





「……スマホ忘れた」






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