Bussiness Trip
部屋に入ると、またもやキョロキョロとあちこちを見回している。
「へえ、こんなふうになってるんだね。わあ、お風呂広いね、ジャグジー?」
「あんまり、はしゃぐな。恥ずかしいから。こういう所は壁うすいんだからな」
「え、そうなの?」
途端にひそひそ声になるから、笑いをかみ殺す。
「とりあえず、着替えるから、そっち向いてろ。透明のバスルームじゃ意味ないしな」
「うん、わかった」
俺が部屋の隅で着替えていると、ポスッと音がする。
着替え終わって振り返ると、ダブルベッドの真ん中に雪乃が大の字に寝転がっていた。
全く何やってんだ?
「ねえ見て、天井に雲が書いてある」
「ああ、そういうとこもあるな」
「他にはどんな所に行った? お城みたいなとことか、お姫様の部屋みたいのとか、ベッドが回転するのとか、いろいろあるんでしょ?」
「恥ずかしげもなく、そう言うこと聞くなよ」
「だって、戸上だったら、詳しそうなんだもの」