モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜
「はい…それも…。」
「とても似合っている。
用意したのは
姫乃ですか。」
断定的な口調に、
沙羅はこくりと
うなずく。
「そういえば、
その手の色の服は
揃えていません
でしたね。
キミの好きな色ならば、
今度新しく仕立てる
ときに用意して
おきましょう。」
「…どうして、
わたしの好きな
色だってわかったの?」
沙羅はなにも
言っていないのに。
沙羅の問いかけに、
朔夜の口の端が
自慢げな形に変わった。