はじめての恋


「それなら、またやる?2人で」


えりの言うとおり、せっかくの高校生活だもん。
何か残したい。
私がここでやってきたことを。

それが部活だけとは限らないけれど、大きくなって私は高校でこんなことをしてたんだって話せるようになりたい。




「うん。2人でなら頑張れるし。今日体験入部行こう」




えりとそう約束すると、チャイムが鳴った。





チャイムと同時に湯川くんが来た。



「おはよ。ギリギリだね?」



私がそう声をかけると湯川くんはカバンを机の上に置きため息をつく。


「来てるだけでも偉いでしょ」



心の中でため息をついた。
湯川くんはどうしてそんなに余裕なんだろう。
羨ましい。



「入試1位の貫禄?」


口を尖らせて聞くと、湯川くんは笑う。


「何それ。吉田は頭悪いの?」



「良くはない、悪いとも言わないけど」

少し強がった。
てか、自分で頭いいとか言えないでしょ。
湯川くんじゃないんだから。



「ふーん。普通ってこと?ならいいじゃん」



とか言いながらイヤホンを耳につける湯川くん。

はいはい、もう黙りますよ。



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