捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。
 

「はぁ……っ、む、無理でした……」

「……ほらまた、かわいいことをする」

「え?ど、どこが……」

「そういうところですよ。そもそも……止められるわけないでしょう?止まる気もないんですから」

「はいっ!?」

「もう無理ですよ。走り出したものは止まりませんから。……突き進むのみです。猪突猛進です。」

「な……っ!」

「いい加減、覚悟を決めてください。……俺に愛される覚悟を」

「ん……っ、んんっ」


唇が降ってくると共に、今まで触れられたことのない場所に惣介さんの手が次々と直に触れていき、私は身体をよじってしまう。

さっきの甘すぎるキスで熱を持つ身体は触れられているだけなのに反応してしまって。

身体の奥がじんじんと痺れるような痛みとむず痒さを感じ始める。

こうなってしまえば……もう、溺れるしかない。

……もっと触れてほしい。

……もっと奥まで。

惣介さんのことしか、見えない。

……私はゆっくりと、惣介さんに向かって手を伸ばして……抱きついた。

 
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