ロフトの上の冷たい毒 星のない漆黒の空の下


ミートパテと苺ジャム、ベーコンエッグをテーブルに並べ、コーヒーメーカーをセットしていた私のもとに、


[ごめん。飲み過ぎて頭が痛い。
少し家で休んでから行くよ]


とメールが入ったのは、9時を10分ほど過ぎてからのことだった。


達也は、メールはあまり好きではなくて、電話を寄越す。
(文字を打つのが面倒だといって)





……あの時のメールは、達也の自宅以外の場所から打ったものだったのかもしれない。



そして、そのすぐそばには、白い身体を持つ若い女が寄り添っていたのかもしれない……




分かっている。


羅夢との関係は、一夜限りのものだ。





ーー私ぃ、自分で言うのもなんなんですけどぉ、顔はイマイチだけど、身体には自信あるんです〜



酔った羅夢は目をとろんとさせ、舌足らずに言った。


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