恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
苦手な数学を見てもらうことになっているのだ。
受験生の身で、人の勉強なんか見てる暇があるのか疑問だけど、
自称"頭がいい"三浦先輩は、夏期講習などにガツガツしなくても余裕なんだとか。
「さくらも行く?」
部屋へ戻り、勉強の用意をしながらさくらにも声を掛けたけど、
「あたしはパス~、よく今から勉強する気になるよね。もうヘトヘトだー」
さくらはそう言って、広げた布団の上に横になってテレビを見始めた。
あたしだってこんなとこに来てまで勉強したくないけど、三浦先輩に勉強を見てもらえるチャンスなんて今後ないだろうし。
「じゃあ行ってきまーす」
さくらを残してあたしは三浦先輩の部屋に向かった。