水のない水槽
「ほらほら、朔乃、何、鏡の前で百面相してるの! 早くしないとまどかちゃん、迎えに来ちゃうわよ?」

「えっ!? 今、何時?」


慌てて時計を見れば、もう4時半前。


「なんでもっと早く声かけてくれなかったの~」

「あんたはもう……。相変わらずのんびりなんだから。ほら髪やってあげるから、さっさとお化粧、終わらしちゃいなさい」


ホントにヤバい!! まどかはいいけど、先輩たち、待たせるワケに行かないもん!


久しぶりに思い出した胸の痛みを忘れようのするかのように、わたしは用意に没頭した。
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