【完】恋の太陽、愛の月
太陽が俺の向かい側に戻ったところでひなたが帰ってきた。
「おかえりひなー♪」
「た、ただいま太陽君!」
何故だろう。
トイレに行く前のひなたと少しだけ様子が違う気がする。
でも俺は特に気にかけることもせず、メガネをくいっと直した。
「あっ咲夜もう食べてるの!?私にもハンバーグ一口頂戴!」
「・・・そう言うと思ってたよ。ほら」
俺は昔からの癖で自分の使っている箸、フォーク、スプーンでひなたの口へと運ぶようになっている。
太陽の気持ちも考えずに、俺はそれを平然と行ってしまった。
「んーっ美味しい!やっぱりオーナーが作る料理も最高だねぇ!」
冷ややかな視線が太陽から送られる。
それに気付いてないそぶりをしつつ、水を一気に飲み干した。
「じゃあ僕も♪はい!ひな!」
太陽はスパゲティを綺麗にスプーンの上におさめてひなたの口へと運ぶ。
ひなたは分かりやすいくらい顔が真っ赤になっていた。
「どう美味しい?」
「美味しい!!すっごく!」
「良かった♪」
・・・俺は太陽の代わり。
俺が太陽になることなんてできない。
俺は太陽がいる間はずっと表には出れない。
所詮は太陽と月なんだから。