【完】恋の太陽、愛の月


太陽が俺の向かい側に戻ったところでひなたが帰ってきた。


「おかえりひなー♪」


「た、ただいま太陽君!」



何故だろう。

トイレに行く前のひなたと少しだけ様子が違う気がする。



でも俺は特に気にかけることもせず、メガネをくいっと直した。


「あっ咲夜もう食べてるの!?私にもハンバーグ一口頂戴!」


「・・・そう言うと思ってたよ。ほら」



俺は昔からの癖で自分の使っている箸、フォーク、スプーンでひなたの口へと運ぶようになっている。


太陽の気持ちも考えずに、俺はそれを平然と行ってしまった。


「んーっ美味しい!やっぱりオーナーが作る料理も最高だねぇ!」


冷ややかな視線が太陽から送られる。

それに気付いてないそぶりをしつつ、水を一気に飲み干した。




「じゃあ僕も♪はい!ひな!」


太陽はスパゲティを綺麗にスプーンの上におさめてひなたの口へと運ぶ。


ひなたは分かりやすいくらい顔が真っ赤になっていた。




「どう美味しい?」


「美味しい!!すっごく!」


「良かった♪」





・・・俺は太陽の代わり。


俺が太陽になることなんてできない。


俺は太陽がいる間はずっと表には出れない。



所詮は太陽と月なんだから。
< 30 / 180 >

この作品をシェア

pagetop