【完】恋の太陽、愛の月
「せ、先生!」
「・・・ったく。"咲夜君"だろ」
ひなたさんたちが見えなくなるぐらいの場所に来て、ようやく私は先生に話しかけることができた。
「・・・」
「どうしたんだよ」
「どうしてあの二人を二人きりにしたの?」
「恋人だから」
「確かにそれはそうだけど、でもそんなことしたら先生は・・・!」
「報われない?」
「・・・その」
「辛い、苦しい、切ない、悲しい。怒り、妬み、嫉妬」
「え?」
「今言ったもの一つ一つが今の俺の心情」
「だ、だったらどうして!」
「それ以上にそんな思いを隠し持っている俺が憎い」
「そんな・・・。そんな思い誰だって先生と同じ状況だったら持つよ!」
先生は苦しそうな表情で、自分の胸を叩いた。
「ひなたが好きで好きでたまらないのに、俺は太陽に嘘をついた」
「・・・先生」
「でも!!そうしなきゃあいつは幸せになれないんだよ」
「そんなこと言ったら先生だってこの結果は幸せになれないじゃん!」
「それが最善の方法だ。・・・俺は太陽の抱えている闇を気付いてやれていなかった。だったらせめて光を差し込めるくらいはいいだろ?」
先生は私に背を向け、歩き出した。
「先生!どこに・・・」
「トイレ」
先生は泣いていた。
すぐに見えなくなってしまったけど、涙を流していた。