ヒールの折れたシンデレラ
「やっと捕まえたの?遅いじゃない。そんなんで仕事やっていけるの?」

宗治を責めるような和子の口調。

「本当に今度の相手は手ごわい。でもこれ乗り越えたらどんな取引相手も頷かせる自信ができるよ」

「あら、そう。ふふふ」

二人の会話は祖母と孫が交わすそれで和やかなものだった。

「千鶴こっちにきて」

入口おろおろしている千鶴に宗治が声をかけた。

「ばぁちゃんのお望み通り結婚相手つれてきた。千鶴と結婚するから」

「ちょっとま――」

「OK以外ダメだっていっただろう」

二人の会話をニコニコしながら和子は聞いていいる。

その様子をみて千鶴は不思議に思い尋ねる。

「反対されないですか?私は会長を裏切って宗治さんを好きになってしまったのに」

「あらどうして?私は孫を結婚させてほしいって言っただけよ。ならばあなたは私の与えた仕事を忠実にこなしたじゃない。大変優秀だわ」


にっこりとほほ笑まれる。

「ばぁちゃんが反対するわけないだろう。最初からそのつもりなんだから」

「え?」

驚く千鶴に和子が話をすすめる。

「私が宗治と結婚させたかったのはあなたよ。瀬川千鶴さん」

温かいまなざしでみつめられる。
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