Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「仲松先生って、三十歳って言ってたけど、そんなふうに見えないよね?」
平野の方が、再び口を開いた。机に肘をつき、拳に顎を載せていた宇佐美が、相づちを打つ。
「そうだねぇ、もっと若く見えるよね。いろいろ気を遣っているのかな?」
「そうかもね。服とかも、若い感じのかわいいのをたくさん持ってるし。どこで買ってるのか、教えてほしいなー。」
これは女の子ならではの着眼点。遼太郎は、みのりがどんな服を着ているのか、なんて気にしたことはなかった。
「それに、顔も可愛い感じで若く見えるよね。メイクでかな?」
「でも、あんまり厚化粧じゃないよね?ってか、ほとんどメイクしてないんじゃない?あ、それに、スタイルもいいよねー。」
「そうそう、私も思ってたー。出るところは出てて、引っ込むところはしっかり引っ込んでるよね。しかも、細い!」
『出るところは出てて…』という言葉に、ビクッと遼太郎は反応した。
手のひらの感触が甦ってきて、右手をきつく握った。必死で手と頭に残る感覚を消滅させようとしたが、顔の火照りは治まるところではなかった。
一方の教室を飛び出したみのりは、廊下の角を曲がり、階段のところで足を止めた。