Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
その課題を手渡す時、
「先生、すいませんでした…。」
と、遼太郎は深々と頭を下げた。
顔を上げると、みのりはちょっと面食らったような表情を浮かべている。
「大丈夫、気にしてないって、メールに書いたでしょ?」
そう言われても、遼太郎は無言で唇をかんだ。
「……でも、こうやって謝らないと狩野くんの気が済まなかったのよね?」
みのりがフフッ…と柔らかく笑うと、遼太郎はこくんと頷いた。
「本当に大丈夫よ。なんとも思ってないから、気にしないでね。」
あまりにもサラッとみのりがそう言うので、遼太郎は今一つその言葉の信ぴょう性を疑っているようだ。
「大体、私があのくらいのことであんな反応しちゃうから、狩野くんも罪悪感を感じないといけなくなるわけだし……。ホント、そんなに気にすることないのに。」
遼太郎の心の負担が少しでも軽くなるように、みのりは違う考え方を提案した。
「あのくらいのこと……なんですか?」
遼太郎が暗に何のことを言っているのか察して、みのりは心がざわめいてくる。
意識すると先ほどの二の舞になるので、努めて意識しないように、みのりは歯を食いしばった。