Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 全県模試は9月の初めに行われるので、ゆっくり対策の指導をする暇もなく、模試の日を迎えてしまった。

 遼太郎のノートの方も気になっていたが、9月の通常授業が始まってからは、時間がとれずに個別指導もなおざりになっていた。


 定期考査は、もっぱら自分の学年部の試験監督に行くのだが、全県模試は1・2年の夏休み明けの実力考査と同時に行われるので、通常の授業担当者が試験監督にあたる。


 3年1組の授業に行くみのりは、珍しく3年生の試験監督をすることになった。

 普段の日本史の授業の際、教室にはいない地理や世界史の選択者は、なじみのないみのりが教室に入ってくると、ちょっと神妙な顔つきをする。


 礼をして着席すると、みのりはまずマークシートを配った。


「初めに、名前を書いて、自分の選択科目にしっかりマークしてくださいねー。」


 注意を促しながら、次は問題を配るのだが、日本史と世界史と地理の選択者が混在して座っているので、これが少し面倒だ。


「ええと、世界史選択者の方が少ないから、はい、この列、世界史の人は手を挙げて!」


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