Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
金曜日の放課後は、明日が休みということもあって独特の開放感がある。ましてや今日は、一日全県模試や実力考査で授業がなかったこともあり、職員室も珍しく緩い感じが漂っている。
みのりがコーヒーを注いで自分の席に戻り、一口飲んでフーッと息を吐いたとき、
「先生、暇そうだね。」
と、背後から声をかけられた。
緩んだ気分に不意打ちされ、ビクッとしてみのりは振り返る。二俣と衛藤と遼太郎、いつものラグビー部三人組だ。
「……な、何?」
みのりはコーヒーを置いて、椅子ごと向き直る。
「先生、俺ら明日試合があるんだけど、応援に来てくれるよね?」
二俣は、さも〝当然〟と言わんばかりに、その話を持ちかけた。
「何時から?」
みのりの方も、〝迷惑〟とは思っていないらしく、スケジュール帳をめくって予定を確かめる。
「昼の1時から。」
「こんな時期に、何の大会?」
「秋季大会です。」
「ふーん……、あ、明日はダメだ。」
「……ええぇ~、何で?先生~。」
「明日は、筝曲部の練習があるの。100周年の式典前だから、私がいないわけにはいかないのよ。」
「ええぇ~!」
二俣は駄々っ子のように、口をとがらせた。
遼太郎は、態度には出さなかったが、心の中の落胆は大きかった。