Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 フッとみのりは、ため息のような笑いを漏らした。


「ま、今回がダメでも、花園の予選には行ってあげるから。ね?……そうだ、これあげる。」


 机の一番下の引き出しを開けて個包装になったクッキーを3つ取り出し、一人ずつ手渡すと、小さい子をなだめるように満面の笑みで三人を見つめた。


 その時、職員室の入口で、教員たちの声が上がった。


「おー。久しぶり!」

「元気だったかい?」


 みのりとラグビー部三人が目をやると、教員の輪の中心に口と顎に髭を蓄えた男がいた。石原だ。

 ドキンと一拍みのりの心臓が反応したが、前もって石原が来ることは連絡をもらってたので、特段驚くことはなかった。


 だが、ラグビー部三人は目を丸くしている。


「あれ、石原先生じゃね?」

「うん、石原先生だ。何でいるんだろう?」


 そんな疑問を聞いて、みのりはラグビー部員たちに説明してあげる。


「石原先生、ここにいた時の学年部の先生たちと今晩飲み会するんだって。その前に、ちょっと顔を見せに来たんじゃない?」


 みのりは、遼太郎の目を見て頷いた。


「あいさつしに行ったら?」


 そう提案すると、3人はクッキーを手に持ったまま、そそくさと石原のもとへ向かった。



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