Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 二人とも体は大きい高校生だが、こうやってじゃれあっていると、まるで子犬みたいだ。

 二俣が何を言おうとしたのか、みのりは知りたい気もしたけれど、遼太郎が困っているようだったので、再びみのりは話題を変えた。


「ねえ、二俣くんの彼女来てるんでしょ?どの子?教えてよ。」


 今度は途端に二俣の顔が赤くなった。恥ずかしいのか、


「遼ちゃんに訊いてくれ。」


と言い残して、そそくさと自分の荷物のところへ戻っていく。でも、教えたくないわけではないらしい。


 しょうがないので、みのりは遼太郎に視線を投げかける。目が合って、遼太郎は赤い顔のまま気を取り直した。


「あの子です。」


と、腕を伸ばして、観客席へと指をさす。

 遼太郎の視線と同じになるように、みのりは遼太郎の肩のところまで頭を寄せると、みのりの帽子のつばが、遼太郎の胸にあたって折れ曲がった。
 

 指さされた先に、二人の女の子が座っており、その内の一人、水色のチュニックを着ている子がこちらの視線に気づいたのか、顔を赤らめて下を向いた。


「あの水色の洋服の子?」


みのりが確認すると、


「いや、その隣の薄い黄色の服の子です。」


と、遼太郎は答えた。


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