Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 みのりは授業は進めながら、考査対策のためのプリントを、何枚も作成して配布した。


「先生!このプリントやっとけば、点が取れる?」


 ありきたりな質問をする子が大勢いる。


「これとまったく同じ問題を出題するわけじゃないから、やっとけばバッチリ!とは言えないよ。授業プリントを見直して、この問題をやって知識の定着させて、その知識を使えるようになっとかないとね。」


 訊かれるたびに、みのりはそう答えた。


「今回の試験範囲は、大正・昭和で覚えることがたくさんあるから、今の内からしっかり準備して頑張るんだよ!」


 そして、必ずそう付け足して、激励することを忘れなかった。


 遼太郎の個別指導も、定期考査の勉強ではあえて特別なことは必要がないと、みのりが判断し、遼太郎は定期考査が終わるまでは考査の勉強に専念することになった。

 個別指導がなくても毎日授業でみのりには会えるのだが、なくなれば生活の一部が欠け落ちたように、それはそれで物足りない。



 そのうち、9月も下旬になり、文化祭と並ぶ大イベント、体育大会が行われる。

 芳野高校の体育大会は、特段事前の練習が行われるわけではなく、2日前くらいにリハーサルがあり、あとはぶっつけ本番となる。


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