Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「だ、大丈夫よ。……たぶんね。」
とは言うものの、みのりの顔はまだこわばっていた。それを上目に認めてから、遼太郎はさらに口角を上げた。
笑われているのが分かったみのりは、紛らわせるために話しかける。
「……ど、どうして、こんなことになっちゃったの?」
「俺、騎馬の上に乗ってたんですけど、騎馬が崩れて落ちるときに、他の崩れた騎馬のやつの上に落ちて、誰かの肘がもろにここに入ったみたいなんです。」
遼太郎の説明を聞きながら、みのりはその状況を想像して、顔をゆがめた。
「それは大変だったね。これはさすがに、痛いでしょう?」
「痛いですけど、……ま、大したことありません。」
普段からラグビーで鍛えている遼太郎にとっては、騎馬戦での混乱は慣れている状況なのかもしれない。
血は大分止まってはいるが、こうなるまでに随分流血したのだろう。首筋から身体を流れ落ちた血が、すでに乾いて固まっている。
「この身体についてる血も拭かなきゃね。ちょっと、このタオル自分で押さえててくれる?」
と、みのりは何か拭き取るものを探し始めた。