Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 最愛の人が自分だけを愛してくれる……。極めてシンプルなことだけど、そんな幸せに自分が身を置くことができるのだろうか……。今のみのりには、それを想像するのはとても難しかった。




 週明け、いよいよ前期の期末考査まで1週間となった。

 さすがに、3年1組の面々も最後の勝負にかけるような顔つきになっている。ラグビー部の活動も、期末考査が終わるまでは休止されて、遼太郎も二俣も衛藤も、ラグビー部員たちはやっと勉強に専念できる環境になった。

 とはいえ、遼太郎には気がかりなことがあり、なかなか勉強に身が入らないまま週末を終えてしまった。


 気がかりなこと、言うまでもなく小泉智香のことだ。このまま無視するわけにもいかず、かと言ってどう答えていいか結論も出ていない。

 知らないも同然の相手だから、〝付き合おう〟という前向きな気持ちにはなれない。だけど、無下に断ると、智香の真剣な気持ちを踏みにじって傷つけることになるのではないか……と、ずっと悩んでいた。

 悶々と悩むことは、体育の授業の間はかろうじて忘れることができたが、体を動かさなくなると、また遼太郎の頭の中に漂ってくる。


 しかし、その悩みが渦巻いていたのも、日本史の授業が始まるまでのことだった。



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