Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「ああぁ!遼ちゃん!……ゴメン!!」
「おわ!ふっくん!きったねーなー!」
「遼太郎、可哀想ー…。」
周りにいた男子たちが口々にはやし立てている。
みのりはその大騒ぎを廊下で聞き、笑いを漏らしつつ職員室へと戻って行った。
短い秋季休暇の間も、ラグビー部は花園予選目前とあって合宿が組まれており、遼太郎も二俣もラグビーに明け暮れていた。
高校に入学してから2年半、勉強はそっちのけでずっとラグビーばかりしていた3年生の、最後の最後の試合が目前に迫っている。負けたらそこで引退となるわけで、1日でも長くラグビーをするためには勝ち続けるしかない。
そして、勝つためには、戦略を立てて、練習するしかない。
遼太郎はやみくもに練習しても疲れるだけで、勝つための力をつけるのは限界があると思い、ラグビーの練習の仕方について、雑誌や本を読みあさり、ネットでいろいろ調べてみていた。
自分のチームを分析し、弱点を見つけ、克服するためにはどうしたらいいのか、常に考え工夫するように努めた。
遼太郎が顧問の江口に提案した練習で、今までできなかったことができるようになったりすると、チームのメンバーの信頼もいっそう篤くなった。
まだまだ、どんどん強くなっていけるような気がしていた。