Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
宇佐美と平野がみのりのアパートにやって来る日は、清々しい秋晴れの日になった。
もうすぐ到着するというメールを受けとると、みのりはベランダに出て、橋を渡って川沿いの道を自転車に乗る二人を見つけた。
「いらっしゃい。」
と声をかけると、二人ともみのりを見上げて手を振った。
「わー、先生の部屋って、やっぱ日本史なだけあって、和風だねー。」
平野が和ダンスのチェストや、その上に置かれている和紙のランプを見ながら言った。ランプの横で焚かれているお香を、目を閉じて聞いている。
「うわ!この本の量。すごいね先生。全部読んでんの?わわっ!『切腹の歴史』なんて本もあるよ?!」
宇佐美は本棚に並んである日本史の専門書に目を付けた。
「先生!なにこれ!昔の人が書いたやつ?」
平野が机の上に置かれている物を指差して言った。宇佐美もそれを見に寄ってくる。
「それは、古文書っていうの。江戸時代の初めに書かれた検地帳よ。ちょっと校長先生から解読を頼まれちゃって。」
「ええー、すごい!先生、これ読めちゃうんだ!」
何でも驚いた反応を見せる二人に、みのりは逆に驚いてしまう。どちらかというと自分も感激しやすい方だと思うが、ここまでではない。