Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「はあ!?なに?…間接キス?……ああ!さっきのカフェラテかぁ?」
二俣は、『そんなことでフツー怒るか?』と、あきれている思いを顔に書いたが、次第に別のことに気が付いたような表情になった。
「……遼ちゃん。遼ちゃんの好きな人って…、みのりちゃんか?」
核心を衝かれた遼太郎は、感情を隠せず、真っ赤になって二俣を見返した。
遼太郎が何も言わなくても、その表情が全てを物語っていた。
二俣はしばらく親友の顔を見つめていたが、足元に目を移して腰に手を当てて、息を吐いて頷いた。
「遼ちゃんがそう思う気持ち、よく解るよ。みのりちゃん、可愛くて、綺麗だし。おまけに優しいもんなぁ…。」
それはまるで、二俣もみのりに恋をしているかのような言い方だった。
もしかしてそうなのかも…と、不安になった遼太郎が二俣を見返すと、二俣は暖かい目をして微笑んだ。
「頑張れよ、遼ちゃん。応援してっから!」
二俣はそう言って遼太郎の肩をたたくと、先に走って練習の輪の中へ入って行った。