Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 遼太郎は仲間たちの間に座って、遠く離れたところに座るみのりが、まだ帰っていないことをしっかり確認していた。

 みのりを視界の端で捉えるだけで、遼太郎の心は落ち着き、体中に力が充填されてくる。特に試合の後半、しんどくなってきたときには、そうやって何度も自分を奮い立たせた。

 次の試合が始まってもみのりが観戦しているので、遼太郎はその隣へ行って、一緒に試合を観ながらラグビーの解説や話をしたくてしょうがなかった。
 みのりは、きっといつものように、楽しみながらそれでいてとても真面目に、遼太郎の話に耳を傾けてくれるに違いない。

 でも、今はチームで動いているときだから、単独行動は許されない。遼太郎は気持ちを切り替えて、他校の分析と自分のチームの研究のために、真剣に観戦することに努めた。


 他校の試合観戦も終えて、帰りのバスに乗り込むとき、目ざとい二俣は駐車場を歩くみのりに、いち早く気が付いた。


「みのりちゃーん。」


 大声で二俣が叫ぶと、隣にいた遼太郎もビクリと反応する。


 呼び止められたみのりは、バスの方へと足を向けた。すでにバスに乗り込んでいる1年生の佐藤と荘野も、バスからみのりを見下ろしている。


< 318 / 743 >

この作品をシェア

pagetop