Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「みのりちゃん、見てた?勝ったよ!」
大きな体でも無邪気な二俣は、今日の勝利を誇らしげに報告した。
「うん、見てたよ。よかったね。」
みのりは笑顔を作って頷いた。
その笑顔が不自然なことに、遼太郎はすぐに気が付いた。
ルールを詳しく知って初めての試合だったし、何と言っても勝ち試合だったから、みのりはきっとゲームを楽しんだと思っていたのに……。
「応援、ありがとうございます。」
遼太郎も二俣の脇に立ち、ペコリと頭を下げた。みのりはただ微笑んだ顔を向けてくれたが、落ち着かなげにすぐに他へと目を移した。
みのりのこの反応で、遼太郎の心配事ははっきりとした。
――先生、体調でも悪いのか……?
でも、体調が悪かったら、次の試合まで観戦はしないだろう。だったら、何が原因で、みのりをいつものみのりらしからぬ状態にしているのか……?
遼太郎は口に出してみのりにその原因を訊きたかったが、状況がそれを許さなかった。
「仲松さん、いつも応援ありがとう。遠いのに、よく来てくれたね。」
顧問の江口が声をかけると、みのりは振り返り、いつもの様子に戻って江口と二言三言言葉を交わしていた。