Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
自宅に帰って、いつものように簡単な夕食を作って食べ、お風呂で疲れた体を癒す。みのりがホッと息をついた時、携帯電話が点滅しているのに気がついた。
開いてみると、遼太郎からのメールだ。
『 3年1組の狩野です。6月2日の試合は、午後1時半からの予定です。頑張るので、応援よろしくお願いします! 』
髪の毛を拭いていたみのりの動きが止まった。
1時半からだと間に合いそうにないので、〝もう応援には行けない…〟と、決め込んでいたのだ。
みのりの教師心が、チクチクと痛む。
――こんなに期待されると、行かないわけには行かないなぁ……。
みのりは再び髪の毛を拭きながら、返信ボタンを押した。
『 連絡ありがとう♪2日は午前中に用事があるけど、用事を終わらせてすぐ向かいます。後半には間に合いたいけど…。それでは! 仲松みのり』
後半の30分だけを観戦しに、1時間も高速道路を飛ばして、わざわざ行くなんて馬鹿げてる。貴重な休日なんだから、もっと有意義に過ごしたい。
……なんてことを考えて当然なはずなのだが、なんだかみのりの心は知らないうちに逸っていた。