Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
久しぶりに観るラグビーの試合は、楽しみでもある。石原も知っているあの子たちの活躍は、石原との話の種にもなるだろう。
みのりの中に、試合の応援に行くのを心待ちにする気持ちが少しずつ大きくなっていき、
そしてそこにはほんのりと暖かいものが漂っていた。
職員室の片隅には、給湯室があり、職員たちの憩いの場だ。5~6人が座れるテーブルと椅子があるので、お茶を淹れるついでに、小休憩もできるし、職員同士が雑談もできる。
みのりの今日の授業は午前中で終わり、午後は比較的ゆっくりと過ごせてた。
大きなポットを使ってコーヒーを淹れると、職員室中にいい香りが漂う。
「仲松さん、いい匂いだね~。1杯もらっていいかい?」
と、早速に教務主任の加藤先生がやってきた。
「どうぞ。」
みのりが加藤のマグカップに、コーヒーを注ぐ。
加藤はそれで席に戻るでもなく、何か会話をしたげな感じで、その場に佇んでいる。
そして、
「仲松さん。なんかオヤジみたいな感じだねー。」
と、口を開いた。
何て失礼なことを言う人だろう…!
と、思わずみのりは読んでいた新聞から目を上げて、加藤を見上げた。